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Q3.蓄電池はどれくらい長持ちするの?

一般的にはリチウムイオン蓄電池(定置用)で10年から30年が目安と言われています。 蓄電池戦略プロジェクトチーム(経済産業省)が蓄電池についてまとめた資料によると、 メーカーや種類によって寿命が異なっているのがわかります。
また、同じ種類の電池でも使用状況や環境が異なった場合で大きく変わってきます。 ここで一度、電池の種類別に寿命を確認してみましょう。

種類/寿命

リチウムイオン電池 10~30年/4,000~12,000サイクル
NAS電池15年/4,500サイクル
鉛蓄電池 17年/3,150サイクル
ニッケル水素電池 5~7年/2,000サイクル

蓄電池の寿命を延ばし、最大限長持ちさせるために必要な工夫とはどんなものでしょうか。 もちろん電池の種類ごとの細かな扱い方はそれぞれあります。 ですが、種類を問わず全ての蓄電池を長持ちさせるために、共通して注意するべき点もあります。


<注意点1:高温多湿環境での使用>

蓄電池内で起きる化学反応は温度の上昇と共に活発化し、逆に温度の低下と共に不活発化するという法則があります。
化学反応の活発さの加減は電池の種類によって様々ですが、共通して言えることは高温多湿下で放置、 あるいは使用することで電池の寿命を縮め、自己放電してしまった結果過放電が引き起こされる可能性があるということです。
それを未然に防ぐためにも、ヒーターの側や自動車の中、直射日光に晒される場所など 温度が上昇しやすい場所に放置せず、常温で保管することを心掛けましょう。
比較的風通しが良く乾燥した場所で設置、保管することが長持ちに繋がります。


<注意点2:過充電及び過放電>

リチウムイオン蓄電池(定置用)には一般的に、動作制御システムが搭載されています。
そのため過充電、過放電してしまうリスクは基本的に抑えられていますが、 例えばスマートフォンなどのバッテリーにはこの機能が搭載されておらず、 過充電や過放電を引き起こしやすくなっています。その為、まだサイクル回数満了前に使用不可となってしまうといったケースもあるのが事実です。


ここで、家庭用蓄電池の寿命についても見ていきましょう。
洗濯機、エアコン、炊飯器など一般的な家電の耐用寿命は約6~10年と言われています。 これらは比較的気軽に買い替えることができますが、設置などの工程も含め蓄電池はなかなか簡単に交換できるわけではありません。
その為事前にご自身の生活と照らし合わせ、丁度良い寿命の蓄電池を選ぶことが大切です。 寿命は殆どの場合、各メーカーがあらかじめ公開しているケースが多いです。
記載方法はメーカーによって異なりますが、基本的には①サイクル数②期待寿命③使用期間のいずれかが資料に記載されています。 機種やメーカーごとにサイクル数は異なり、最小で3000サイクルから最大で12000サイクルの蓄電池まであります。


【サイクルって何?】

充電量が0%の状態から100%まで満充電し、 100%になった電気をまた充電が無くなるまで使用することを「1サイクル」と言います。
1日1サイクル使用を目安とした場合、15年程度で約5500サイクルの使用が可能になります。
最も大容量の12000サイクルの蓄電池ですと、なんと約32年間の使用が可能です。


その他にも蓄電池をより長く使うためには、どのようなことに気を付けるべきか見ていきましょう。 蓄電池には充放電を繰り返すごとに、蓄電できる容量が少しずつ減ってくるという特性があります。
スマートフォンを長年使っているうちに「フル充電したのにすぐバッテリーが切れる…」と感じたことはないでしょうか。 それはスマートフォンも蓄電池と同じくリチウムイオン電池を使用しているため、同様の特性により徐々に寿命が減ってきているからなのです。


同じ種類の蓄電池でも環境、温度、湿度、使用頻度などによって寿命は大きく異なってきます。 できるだけ長持ちさせるためには、
・充電残量が0%になるより少し前に充電する習慣をつける
・過充電・過放電しない
など、充電量をこまめにチェックしつつ、コンスタントに使用することが大切です。
そして蓄電池を設置する際最も重要なポイントは、日影かつ温度が高過ぎず低過ぎない、 通気性の良い場所を選ぶことです。


長持ちにさせるための配慮をしつつ、それでも寿命を迎えた場合はどうなるのでしょうか?
一般的に、蓄電池は寿命が過ぎたところで、すぐに壊れて使用不可になるわけではありません。
先ほどの話同様、スマートフォンのように蓄電量が徐々に減少していくイメージをしていただくと、分かりやすいかもしれません。 とはいえ寿命を過ぎましたら、なるべくお早めに電池交換することを推奨いたします。